コミュニケーションの不足した職場に設置された、社交場を作り出す自動販売機について。

私は以前、地上28階にある職場で働いていました。その会社では全フロアに自動販売機が設置されています。最初は自分の働く部署にある自販機を利用していましたが、毎日飲み物を購入していたので飽き飽きしていました。
しかし、コンビニへ買いにいくにも地上に降りるだけで時間がかかります。
そこで、１日１階別のフロアにある自販機を利用することにしました。

わたしの会社はフロアが別れているので、別の階にいる同期や知人に仕事中会うことは滅多にありませんでした。
しかし、自販機を利用することによって、別の階に行くことも増え、お話をする機会のなかった友人とも話す機会が増えました。
また、同じフロアないでも100人近くの従業員が働いています。
以前より同じ職場なのにコミュニケーションが欠けていると感じていました。
というのも、職場には同じフロアでも部署が違っているとなかなか話題を作ることができなかったりするからです。

しかし、毎日利用する自販機。自然と毎日顔を合わせる方々を覚えるようになりました。
ある日、私は勇気をもって自販機を利用する職場の方に話しかけてみました。

「今日は何を買うんですか？」

「これ、今日から新しく入荷されてる飲み物だよ。」

それから、自販機で会うたびお話することができるようになりました。
自販機は飲み物を入手する手段だけではありませんでした。私にとって、コミュニケーションを取れる大切なツールなのだと思います。(女性・20代・会社員)